岡本太郎美術館での「鉄道美術館」展や、富士の山ビエンナーレで、白いボールが空間を転がりまわる作品がとても印象的だった原 倫太郎さんの個展です。前記の展覧会では、白いボールがとてもしずかに転がって、宇宙のような空間をイメージさせる作品でしたが、この展示ではそのイメージが一転!カラフルなボールが白い空間を動き回り、その転がる音も増幅されて、重力や物質感を強く感じさせる躍動感のある作品になっていました。
この作品の他にも、広告や看板の一部を切り取って拡大して見せてくれる作品がとても好きでした。はじめは”なんだかカラフルで面白いパターンだなぁ〜”って見ていたのが、タネあかしされた瞬間から、”あ、あの看板の色だ!”とか”あのロゴの一部だ!”みたいに、脳内で補完されて別の印象になってしまうのが面白かったです。どの画像も真っ白い壁のギャラリーの中で見ると強烈な色使いなのですが、普段の生活の中ではそんな強烈な色使いすら気にも留めずに過ぎていってしまう…ということに違和感を感じさせてくれるような作品でした。
