歌川広重(寛政9年~安政5年、1797~1858)は、風景画の第一人者として幕末に人気を誇った浮世絵師です。1830年代、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」の人気を受けて風景画ブームが訪れようとしていた頃、当時新進気鋭の広重が世に送り出したのが保永堂版「東海道五拾三次之内」シリーズ。本作は大ヒットし、広重は一躍人気絵師となりました。以降、広重は風景画の第一人者として、生涯に渡って数多くの作品を描き続けることになります。その最晩年の大作が富士山を題材とした、三十六枚からなるシリーズ「冨士三十六景」。ライバルであった北斎の「冨嶽三十六景」を意識したとも言える作品です。本展では、広重の画業を彩る二つの大作を一挙公開するとともに、「行書東海道」「隷書東海道」といった東海道ものや「名所江戸百景」など、広重の他の名作もあわせてご紹介いたします。
会期 | 会場 | 備考 |
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2016年04月29日〜2016年06月26日 | 太田記念美術館 |
てすと
学生の頃教科書や資料集でみて、まさに日本の美!と感動した記憶があります。迫力ある波の描写や当時の町人の生活など、楽しめる要素が沢山つまった展覧会ですね!
もともと広重の作品が好きで、サントリー美術館で開かれている「広重ビビッド」にも行き、ますます広重に惚れこんでしまった私にとって、見逃せない展覧会です。
「広重ビビッド」では初摺りである点が強調された展覧会でしたが、こちらは広重の出世作「東海道五拾三次之内」と最晩年の作「冨士三十六景」が観賞でき、その画業全体を見渡せるようなコンセプトになっているようです。
視点を変えて広重の画業全体を俯瞰した時、今までとはまた違った広重の魅力が分かるのではないかと期待しています。
サントリー美術館の「広重ビビッド」を堪能された方ならば、特に見逃せない展覧会と言って良いと思います。絶対に行きたい!と私は現在予定を調整中です。