この世界の生きとし生けるものと向き合い、神仏に「花を献する」という行為によって全ての命に輝きを与
える珠寳。その源泉は本のの規範を作った東山文化から始まりますが、今その精神は新たな表現となり、
全てが等価で万物とつながる自由な世界へと溢れ始めています。
一方で、小平篤乃生は、あらゆるものがデジタル化され非物質化が加速して身体性が失われつつある現代社
会の中で、五感を使って動物的感覚を呼び覚ますために、見えない物質(もの)を空間化しようとします。
とりわけ聴覚は、彼の中では特に重要なものであり、非物質的でありながらボリュームによって空間を満た
していく「音」の可視化を試みます。
会場空間では、この二人の行為と精神が一つの空間で自在に交錯し合い、響き合う形となって私たちの前に
現れます。
に会場にて行われるパフォーマンスでは、お香の香りとトランぺッター川村祐介の演奏を背景燭の
火だけが灯る暗の中、小平の作品「玉音」を器と見立て、珠寳が花を生けていきます。生けた花はそのま
ま会場にて展示され、やがてドワーとなると、最期にガスの容器に保存されます。二人の共作は
そこで完結するとともに、新たな作品が誕生します。
ぜひ本展会場に足をお運びいただき、そこ在るものを共に感じ取り楽しんでいただけましたら幸いです。