中国の伝統的な素材「生」を生かした実験的な制作方法を駆使する、抽象美術家・蘇笑柏(ス・シャオバイ)の日本初となる大規模個展が兵庫県立美術館で開催されます。世界的建築家・安藤忠雄の手がけた兵庫県立美術館を会場とする本展では、2メールにおよぶ未発表作、25点が展示されます。

本展のタイル“無時無刻”とは、反芻し、温め、構想するといった一連の創作プロセスを表わしてい ます。蘇にとって何かをクリするとは、ただアトリエの中で行われる営みではなく、顔料を塗り 重ね仕上げていく時だけが、創作プロセスというわけではありません。長い時間を費やして考え、が 持つ物質的特性、独自の処理法をビジュル言語に置き換えていくと同時に、物質のなかで起きる有機的な活動、または予期せぬ不規則性をも抱え込むことで、作品が最終的に行き着く先を人力の成し得 るところではなく、自然の流れに委ねているのです。

ルな具象から離れ、抽 象絵画へと移行した蘇は「抽象画のなかに丁寧に封じ込めてしまうものこそ、私が伝えたい内容である」 と語っています。

蘇は1949年、中国・湖北省武漢市に生まれ。85年、中央美術油絵研修ース修了。87年、ドイツのノルトライン=ヴェスァーレン州が交付する奨学金制度を受け、国立デュッセルドル美術ーの研究生を経てマイスター課程でさらなる研鑽を積む。
近年の主な展覧会に、「Infinite Blue」(ブルックリン美術館、ニューヨーク、2018)、「The Armory Show」(Piers 92 & 94、ニューヨーク、2018)、「The world is yours, as well as ours」(White Cube Mason's Yard、ロンドン、2016)など。