ニキ・ド・サンファル(本名リーヌ・マリー=ス・ァル・ド・サンァル、1930-2002)は、戦後を代表する美術家のひとりです。フランスに生を受けたニキは、少女時代を過ごしたアメや母国フランスの抽象絵画に影響を受けるなど独自のスタルを作り上げていきました。そして、1961年に発表した「射撃絵画」で一躍その名が知られることになります。絵具を入れた缶や袋を石膏によって画面に付着した絵画に向けて銃を放つことで完成する「射撃絵画」は、絵画彫刻の両方の要素を兼ね備え、また制作行為そのものがパフォーマンス・の先駆例として美術史上高く評価されています。その後ニキは女性の表象への関心を強め、「ナナ」シリーズでは鮮やかな色彩と伸びやかな形態を用いて解放的な女性像を示し、今まで多くの人々に愛されています。このほかにもニキは舞台や映画の制作を手がけ、また、「タロット・ガーデン」と称する彫刻庭園に代表されるように建築ンにも積極的に取り組み、美術家として様々な活動を展開しました。そして1980年代からは、栃木県那須高に建てられたニキ美術館創立者の故Yoko増田静氏と交流を持ち、本とも特別な関係を築いていきました。
 2014年秋にリのグラン・レで開かれた大規模な回顧展では約60万人の観客を集め、大きな話題となりました。本展ではその要素を取り入れながら、国内外の主要作品を集めた本独自の展覧会となります。初期から晩年までの多様な創作の軌跡をたどる国内史上最大規模の大回顧展です。