日本美術において、祭事・婚礼などの慶事や節句、あるいは常の営みの中で用いる図様として、さま祥画題が表現されてきました。本展では、その中から長寿や子宝、富や繁栄などを象徴する美術に焦点をあて、おなじみの鶴亀、松梅、七福神など現代人からみてもッキーテムとなる対象を描いた絵画をご紹介します。さらに、ユーモスな表現、幸福感のある情景など、HAPPYな気持ちをもたらす作品も展示します。本展でまず注目すきは、初公開作品を含む伊藤若冲画です。おどけた様子の七福神布袋図》*や《恵比寿図》*、表情豊かに動物の姿を描いた《豚と蛙の相撲図》*、押絵貼屏風《群鶏図》*など、大胆なデォルメと機智にとんだ表現をお楽しみください。また、歌川国芳のユーモあふれる猫や金魚の戯画(会期中、展示替え有り)、鮮烈な色彩と滑稽さが魅力の祥画・柴田是真《円窓鍾馗》、重厚感のある力が際立つ河鍋暁斎五月幟図》*など幕末・明治時代の作品も見逃せません。そして、本を象徴する霊富士の堂々たる姿を描いた横山大観《心神》、陰影や立体感を意識し、近代的な人物表現を取り入れた下村観山《寿老》など、伝統的な画題を土台としながらも、時代に即した新しい表現を試みた近代の画家たちの優品も見どころです。戸時代から近代・現代まで、「HAPPY」を切り口に日本美術をたどる、縁起のよさ満載の展覧会です。 「*」は個人蔵、その他は山種美術館