いま「アメで最も重要な写真家」と高く評価されるライアン・マッギンレー。ロックバンド、シガー・ロスのCDジャケッにも彼の作品が使われ、また、美術雑誌やァッション誌にンタビューや特集記事が掲載されるなど、世界はもちろん本にもァンは多く、ますますその名前と影響力が知られるようになってきています。マッギンレーの作品に登場する人物たちは、そのほとんどがヌードです。とくに特徴的なのが、見渡すかぎりの広大な草のなかを疾走し、小高い木の上から飛び、雪に横たわる全裸の被写体たちの奇妙な行為です。彼らは皆プロのモデルではなく、マッギンレーは、衣服を脱いだ彼らがふと垣間みせる一瞬のふるまいを作品にしています。マッギンレーのヌード写真は、表面的なしさと言うよりも、常の制約や束縛から解放された精神の自由を捉えているといえるでしょう。
また、マッギンレーはギリスのュージシャンで、「ザ・スミス」の元ヴォーリスモリッシーの大ァンとしても知られています。モリッシーの歌詞に込められた自由や反抗の精神は、マッギンレーの作品にも深く通ずるものがあるでしょう。モリッシーの北米ツーに同行して撮影した作品から、熱狂的なァンがみせる夢見る表情、その場の昂揚感などがダレクに伝わってきます。本の美術館では初となる待望の個展、約20mのインスタレーション《YEARBOOK》を含め、作家自選による、初期から最新作までの約50点とその全貌を紹介します。