モリス商会の壁紙

アーツ・アンド・クラフツ運動(Arts and Crafts Movement)は、イギリスの詩人、思想家、デザイナーであるウィリアム・モリス(1834年-1896年)が主導したデザイン運動である。美術工芸運動ともいう。1880年代から始まった[1]

ヴィクトリア朝の時代、産業革命の結果として大量生産による安価な、しかし粗悪な商品があふれていた。モリスはこうした状況を批判して、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した。モリス商会を設立し、装飾された書籍(ケルムスコット・プレス)やインテリア製品(壁紙や家具、ステンドグラス)などを製作した。

モリスの商会の製品自体は結局高価なものになってしまい、裕福な階層にしか使えなかったという批判もある。しかし、生活と芸術を一致させようとしたモリスの思想は各国にも大きな刺激を与え、アール・ヌーヴォーウィーン分離派、ユーゲント・シュティールなど各国の美術運動にその影響が見られる。

日本の柳宗悦もトルストイの近代芸術批判の影響から出発し、モリスの運動に共感を寄せ、1929年、かつてモリスが活動していたケルムスコットを訪れた。柳の民芸運動は日用品の中に美(用の美)を見出そうとするもので日本独自のものであるが、アーツ・アンド・クラフツの影響も見られる。

関係人物の一覧

  • C・R・アシュビー(1863年-1942年)建築家。
  • M・h・ベリースコット(1865年-1945年)建築家。
  • エドワード・バーン=ジョーンズ(1833年-1898年)画家。
  • ヘンリー・コール(1808年-1882年)ロンドンデザイン学校の校長。
  • ウォルター・クレイン(1845年-1915年)挿絵画家、装飾芸術家。ロイヤルカレッジオブアートの校長。
  • ウィリアム・ド・モーガン(1839年-1917年)画家、小説家。
  • クリストファー・ドレッサー(1834年-1904年)デザイナーで植物学者。
  • アレキサンダー・フィッシャー(1864年-1936年)デザイナー。
  • アーネスト・ギムソン(1864年-1919年)建築家。
  • E・W・ゴドウィン(1833年-1886年)アングロ・ジャパニーズ様式を確立した建築家。
  • チャールズ・レニー・マッキントッシュ(1868年-1928年)建築家。
  • アーサー・ヘイゲート・マックマード(1851年-1942年)建築家。
  • ウィリアム・モリス(1834年-1896年)社会思想家。詩人。
  • ジェシー・ニューベリー(1864年-1948年)デザイナー。
  • オーガスタス・ウェルビー・ノースモア・ピュージン(1812年-1852年)建築家。ゴシック・リバイバルの推進者。
  • ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828年-1882年)画家、詩人。
  • ジョン・ラスキン(1819年-1900年)社会思想家、美術批評家。
  • リチャード・ノーマン・ショウ(1831年-1912年)建築家。
  • G・E・ストリート(1824年-1881年)建築家。
  • G・F・A・ヴォイジー(1857年-1941年)建築家。
  • フィリップ・ウェッブ(1831年-1915年)建築家。
  • クリストファー・ウォール(Christopher Whall、1849年-1924年)ステンドグラス作家。

脚注

参考文献

  • ネイラー『アーツ・アンド・クラフツ運動』みすず書房
  • 大内秀明『ウィリアム・モリスのマルクス主義』平凡社、2012年6月17日。ISBN 978-4-582-85645-3

関連項目

外部リンク

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